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第30期・第1回例会もオンラインとなります。今回お呼びすることができたのは、国立遺伝学研究所副所長を経て、現在サウジアラビアのアブドラ国王科学技術大学特別栄誉教授として8年間赴任されている五條堀孝氏をお呼びすることができました。五條堀氏は遺伝学の日本権威です。 |
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現在、あまりにもコロナワクチンについてのネガティブでフェイクな情報が出ているので、遺伝学者としてやむにやまれず今年の7月に緊急出版したのが『「新型コロナワクチン」とウイルス変異株』(会員の皆様には8月中旬には各会社に送付します)という本です。本書の中にはこんなことが書いてあります(主にQ&Aから抜粋しました)。
◆【mRNAワクチンの安全性は大丈夫?】 mRNAワクチンの開発には25年以上の歳月を経ており、その副反応は他のワクチンに比べ比較的少ないように思われます。
◆【mRNAワクチンは他のワクチンとどこが違う?】これまで使用されていたワクチンは、ウイルスの一部のタンパク質を体内に投与し、免疫ができる仕組みでした。それに比べmRNAワクチンは、ワクチン構造にいくつかの工夫が凝らされていて、ウイルスのタンパク質をつくる基礎情報の一部を持つmRNAを投与します。私たちの身体の中で、この情報をもとにウイルスタンパク質の一部が作られ、それに対する抗体が産出されることで免疫ができていきます。つまり、ウイルスタンパク質の産出方法が他のワクチンとは異なります。
また、2013年にアブドラ国王科学技術大学に招聘され、現在もサウジアラビアに居を構えていらっしゃる五條堀氏は、大学についてこう語っています。「一言で言えば、カリフォルニア工科大学やマサチューセッツ工科大学のような米国流の研究大学院大学だ。アブドラ前国王がサウジアラビアの未来のため世界一の大学をつくりたいと考え、個人資産を約2兆円投じ、紅海に臨む第2の都市、ジッダの近郊に建てた。キャンパスは山手線の内側の面積の半分ほどあり教員や学生が住む住宅、ショッピングセンター、保育所から高校まで子どもたちが通う学校、クリニックなどがありひとつの都市といえる。空港からは車で1時間弱ほどの距離だ」
「国際性、多様性を重視しサウジ国籍の学生は30%以下にとどめている。教員が現在165人。研究員(リサーチサイエンティスト)が約300人。ポスドク(博士号を取得した若手研究員)が約500人。学生が修士、博士課程で800人ほどいるが、これからまだ増える。驚くのは事務職員が教員の4倍くらいいて、研究資金の応募手続きから研究成果の評価にいたるまであらゆる面で教員を支援する体制を組んでいる。教員や研究員は世界の101カ国から、学生は85カ国から来ている」
世界の最先端大学の情報や、教育についてのこと、世界から見た日本などについても非常に興味深いお話が伺えると思います。
今回もZoom開催となりますが、必ずや、経営や生き方の素晴らしいヒントが得られると思います。 |
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【日 時】 |
2021年8月18日(水)
19:00開始(1時間15分+質疑応答15分) |
【講 師】 | 遺伝学者 五條堀 孝 氏 |
【演 題】 |
「経営者のための新型コロナ変異株とワクチンの知識」
〜(サウジアラビアと世界からみた日本の未来の考察とともに)〜 |
【講師略歴】
1979年九州大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。テキサス大学ヒューストン校集団遺伝学研究センター上級研究員、助教授を経て国立遺伝学研究所教授・副所長・理化学研究所客員主幹研究員、産業技術総合研究所生物情報解析研究センター副センター長、文部科学省科学官、東京大学特任教授などを歴任。現在、アブドラ国王科学技術大学特別栄誉教授(サウジアラビア)、国立遺伝学研究所名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授、早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構招聘研究所教授、(財)遺伝学普及会代表理事、(株)マリンオープンイノベーション機構研究所長など多数を併任。日本遺伝学会会長、日本進化学会会長などを務め、現在(社)富士箱根伊豆国際学会会長、DNA鑑定学会理事長。2006年全米芸術科学アカデミー外国人名誉会員、2007年ローマ教皇庁科学アカデミー会員、2009年紫綬褒章、2013年世界科学アカデミー外国人会員、2015年欧州分子生物学機構外国人会員など、分子進化や進化遺伝学の研究が高く評価され受賞。 |
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