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第32期・第4回例会は、当時全国最年少市長として就任した武雄市長として、人口5万人の小都市に年間100万人が押し寄せる武雄市図書館を設立、全国で唯一成功した市民病院の民間移譲を果たし、現在は政策起業家、連続起業家として活躍する樋渡啓祐氏をお呼びすることができました。 |
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21経営研究会でも、2012年に樋渡氏が市長のときに一度講演をお願いしていて、会場に入りきれないほどの人気でした。市長のときは、武雄市の知名度をあげることをメインテーマにかかげ、「騒ぎは起こすためにある」と語りました。「対等に組む」「反省しない」「何事にも『過ぎる』」「パクリ倒す」「劇場化する」といった行動哲学について、故スティーブ・ジョブズ氏や孫正義氏を例に解説しました。
また、ケーブルテレビで中継されている武雄市議会は、市長と市議会の激しいやり取りが行われる一般質問時、視聴率50%、傍聴者200人、ユーストリームで2,000人が視聴していたといいます。「議会は必ず面白くなる」という樋渡氏。全国の自治体からたくさんの地方議員が視察に訪れ、市政そのものを観光資源化したと言っても過言ではありません。
また、市HPのフェイスブック移行、図書館運営の民間委託(TSUTAYAへ)など、矢継ぎ早に新たな施策を打ち出していく武雄市ですが、樋渡氏は「情報の発信ではなく『共感』の発信」が大切であると強調します。「人はモノの背後にあるモノガタリを買う」という樋渡氏の言葉は、ツイッターやフェイスブックといったSNSの普及により、口コミが強力な宣伝媒体となった今、広報戦略の力点を「シェア(share)」におくべきことを示しています。政治・行政の既成概念にとらわれない樋渡氏の自治体経営論は、我々にビジネスの大きなヒントを与えてくれます。
現在樋渡氏は、『僕の原点は「社会問題を解決すること」です。僕は子どもの頃、集団行動が苦手で幼稚園や小学校は不登校気味でした。高校受験は志望校に受かりませんでしたし、やっと進学した高校でも先生との意見の食い違いから引きこもりになりました。そんな折、たまたま隣町の町長の講演を聞く機会があり、そこで聞いた話にとても感銘を受けました。そのとき、登壇していた町長に「僕は集団行動ができません。協調性もありません。高校は退学寸前です。こんな僕でも、あなたみたいな仕事ができますか」と質問したのです。町長は間髪入れずに「だからこそ、できるんだ」と返してくれました。この体験が僕にとって人生を根こそぎ変える転機になっています。政治家を目指したのも、この体験があったからこそでした。知事選に落ち、起業してからは正直なところ、仕事はうまくいかず、投資関係のトラブルにも遭いました。そんな中、改めて原点に返ろうと思ったときに、僕の中では「社会問題を解決する」が真ん中にあることに気付いたのです。』と語ります。
樋渡氏の得意分野は、『「組み合わせ」です。例えば総務省から大阪府高槻市に出向していた時代には、放置自転車の地域課題をヤフーオークションと組み合わせて解決しました。持ち主が現れない自転車をオークションで売り、処分費用を浮かせたのです。武雄市長時代には図書館とTSUTAYAを組み合わせたり、市ホームページとフェイスブックを組み合わせ、アクセス数を400万倍にしたりしました。クリエーティブなことはできませんが、こんなふうに何かと何かを組み合わせてパフォーマンスを引き出すことは得意なのです。』
選挙に負けても次々と新しいチャレンジをしつづける樋渡氏。経営者やビジネスリーダーにも大きな気付きがあるはずです。是非、今回も多くの会員の皆様、そして、社員やご家族、ご友人もお連れ下さい。必ずや、経営や生き方の素晴らしいヒントが得られると思います。
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【日 時】 |
2023年12月18日(月)
講演会 18:00〜19:30
懇親会 19:30〜21:00
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【場 所】 |
ホテルグランド富士
富士市平垣本町8-1 電話 (0545)61-0360 |
【講 師】 |
樋渡社中株式会社代表取締役社長 前佐賀県武雄市長
樋渡啓祐 氏 |
【演 題】 |
これから生き残るリーダーとは
〜〜大変革の時代は“狂”であれ!〜〜 |
【講師略歴】
1969年佐賀県武雄市生まれ。1993年総務庁(現総務省)に入庁。内閣府沖縄問題担当、内閣中央省庁等改革推進本部事務局、高槻市市長公室長などを経て、2004年総務省大臣官房秘書課課長補佐で退職。2006年、当時全国最年少36歳で武雄市長に就任。ドラマ「佐賀のがばいばあちゃん」の誘致、市民病院の民間移譲、年間来館者数100万人を超す武雄市図書館を実現するなど、AERA 、日経BP「日本を立て直す100人」等にも選ばれる一方、各メディアから「わずか人口5万人の武雄市を一躍全国区にのし上げた。」と評価される。2015年1月佐賀県知事選で敗れ、現在、まちづくりの株式会社である樋渡社中代表を務める一方で、大学客員教授、テレビコメンテーター、講演活動、地方創生に関する企画などを行っている。趣味は、ランニング、料理、音楽、読書、旅。今まで40か国を放浪。印象に残っているのは、カンボジアのアンコールワット遺跡、トンレサップ湖で見た水上生活、パキスタンにおける貧富の格差。 |
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